都道府県の人口を考慮してJリーグの2019年平均観客数をグラフ化してみた
コロナの影響でJリーグが中断していて、さみしい週末を過ごしています。
2020年のJリーグでは、観客数やdazn再生数に応じた「ファン指標分配金」なるものが導入されると聞き(原資5億円)、私の応援するクラブは地方で人口がだいぶ少なくて不利なんだけど😨...と気になっていたところに、あるきっかけ(後述)もあり、都道府県別の人口を考慮した比較を計算してみることにしました。
Jリーグ「ファン指標配分金」を実施 来場、視聴実績に応じて5億円を分配/サッカー/デイリースポーツ online
はじめに
もちろん、実際の人数が大きいことがビジネス上は売上・利益に直結し重要であることは理解したうえで、今回は比率から換算した数値を出してみようと思っているのでそこは何卒ご了承ください🙇♀️
使用したデータ
Jリーグのクラブの数
2019年のJリーグは J1~J3 の3カテゴリあり、それぞれ 18クラブ、22クラブ、18クラブの合計58。そのうちJ3の3つは「FC東京U-23」のような若手育成を目的とした2つ目のチームなので集計から省き、全55クラブについて比較する。
「Jクラブの数を考慮した都道府県の人口」を定義
「都道府県の人口」を「その都道府県に存在するクラブの数」で割って算出。例えば、東京都の人口は1,372万人だが、東京都にはJクラブが3つあるので、「Jクラブの数を考慮した都道府県の人口」として、1372/3 = 457万人とする。(3つとは、FC東京, 東京ヴェルディ, 町田ゼルビア)
「Jクラブの数を考慮した都道府県の人口とクラブ名」一覧
1つの都道府県内に複数のクラブが存在するのは、神奈川(6)、静岡(4)、東京(3)、大阪(2)、埼玉(2)、千葉(2)、茨城(2)、長野(2)、福岡(2)。
Jクラブ数を考慮した結果、都道府県別人口のトップ3は 愛知(754万人)、兵庫(548万人)、北海道(529万人)の順となり、ワースト3は 山梨(82万人)、徳島(74万人)、鳥取(56万人)となった。1位・愛知と最下位・鳥取、その差は13.5倍。なかなかに格差社会。
今回考慮しなかったこと
- ホームタウン:JリーグではJクラブの本拠地を「ホームタウン」と呼び、ホームタウンが県内全域のクラブもあれば、県内の一部の市区町村のこともある。なので厳密にやろうとしたら各クラブのホームタウンがどこかを調べて市区町村別の人口を足して...とも思ったが割愛。
- 都道府県の越境:鹿島へは東京や近郊からも多く通っていたり、鳥栖(佐賀県)は福岡から電車ですぐだったり、都道府県で区切るのが適切ではないケースは多々あると思う。交通の便が良い都市部になるほどその傾向は強そう。
- カテゴリの違いによる重み付け:J1かJ3かなどのカテゴリを考慮せず、つまり重み付けなどもせず、今回は単純にクラブの数で割り算している。
- 都道府県の面積(人口密度):例えば北海道のように人口が多くても面積が広いと、札幌ドームに集まるのは大変だと思う。
いざ本題へ:やりたいこと「徳島係数」と「徳島換算」
今回、グラフ化の直接のきっかけは、我らがキャプテン 徳島ヴォルティス・岩尾憲 選手が、先日ラジオで「なぜ徳島にいるのか?」の質問に答える中で、「たとえ人口が少なくてもそこからスタジアムに1万人、2万人集められるってことをやっていきたい、徳島で地方発のサッカークラブのモデルを作りたい」という想いを語っていたこと(感激!!!!!)。「徳島で1万人なら、福岡で3万5千人の計算になるそう」とも言っていて、その数字を私も見てみたい!と思った次第でした。
※ここから先は「徳島」の話が続きますが、クラブ同士の比較観点では形はそのまま使えるので(Y軸の数値(絶対値)は徳島基準の数値だが、クラブ同士の比較(=グラフの形)は変わらない)、もしよければそんな視点でグラフを眺めていただけると。
「徳島係数」:徳島の1万人は何万人に相当するか?
これはもう岩尾選手の言葉まんまの定義で!「徳島の1万人は人口比を考慮すると何万人に相当するか?」。ここでいう「人口」とは先に算出した「Jクラブの数を考慮した都道府県の人口」で算出。
※徳島が1万人になるように整えただけなので、グラフの形は一番始めのグラフと同じ。J1/J2/J3のカテゴリ別に表示する。縦軸は揃えてます(Max 12万人)。
J1クラブ
徳島の1万人は、名古屋グランパス(愛知県)だと10万人以上に相当する計算に!第2位のヴィッセル神戸(兵庫県)だと74,500人。ちなみにヴィッセルのホームスタジアムは、徳島のホームスタジアムから見て、2番目に近いスタジアムですが、超ご近所なのにこんなに違うとは...。
「徳島換算」:仮に都道府県の人口が徳島レベルだったら、2019年の平均観客数は何人か?
2019年のJリーグ、最も多い平均観客数だったのは、浦和レッズ(埼玉県)で、34,184人でした。
「徳島換算」は、もし仮に僕の私の応援するクラブの都道府県の人口が徳島レベルだったとしたら、2019年の平均観客数は何人か?を計算。ここでも「都道府県の人口」=「クラブ数を考慮した都道府県の人口」のことを指す。
平均観客数を日本地図にマップ
ここは平均観客数の実際の値を利用。J1=赤、J2=緑、J3=黒で、丸の大きさが平均観客数を示す。縮尺の都合で、北海道と沖縄載せられなくてごめんなさい🙇♀️うっすらと透けて見える太平洋ベルト。
位置は各クラブのホームスタジアムの位置にしました。(ホームスタジアムが他クラブと重なってしまう東京Vは味の素フィールド西が丘、YSCC横浜は事務所の地点を利用)
まとめというか感想
なんとなくずっと「徳島は人口少ない割には頑張ってるほう*1」と思ってたんだけど、計算・グラフ化してみることで、甲府とは規模感似ている(人口も観客数も)が上回られている、山形とはいい勝負、J2とJ1ではだいぶ違うことなどが気づきでした。また、人口を考慮しても上には何クラブかいるということも分かったので、まだまだ限界ではない、まだ伸びる余地はあるという希望も少し持てました。